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水子さんのおはなし

ひとは人によって
生かされ
ひとは人の為に生きる

水子堂一階(地蔵堂)

私たちは今日の生活の基盤を作ってくれたご先祖様に対して、報恩感謝の
気持ちをもって、亡き人の霊を弔うことを、親から教えられてきました。
うれしいにつけ、苦しいにつけても、お仏壇にお燈明をあげ、或いはお墓に
お参りしてご報告をし、ご冥福をお祈りしてきました。

ところが、ご先祖のお供養をするにあたって水子
(中絶・流産・死産した胎児)の供養が忘れられております。
たとえ2、3ヶ月の胎児であっても、人ひとりの命に
変わりはありません。

あなたの命も、今日ある家庭生活も、闇に葬り去られた
水子の犠牲の上になりたっております。やっとよい因縁が巡りきて、
「今度は私が陽の目をみることができる、親の手に抱かれることができる」
と喜んでいた矢先です。

水子堂二階(位牌堂)

ある日、突然に暗闇の世界に突き落とされた様なものです。
しかも一番信頼していたお母さんによって。このときに、水子が泣くことが
出来たなら、どんなに悲しい声で泣いたことでしょう。もしも、呼ぶことが
できたなら、お父さん、お母さんと幾度も呼んだことでしょう。

心の耳を澄ませれば、この声なき声が聞こえるはずです。
「一寸の虫にも五分の魂」といいます。ましてや人の命、我が子の命です。
合法的にあなたの血肉を分けた子供を殺したのです。
淋しいことです。悲しいことです。恐ろしいことです。

親として「許してね。ごめんなさいね・・・」
せめてものお詫びをすることです。繰り返し繰り返し。
そして、「お地蔵様に導かれて良い処へおまいりしてね」と
呼びかけることをしましょう。

「お母さんを助けてくれてありがとう」
親は何とか生みたい、子が欲しいと願っていても自然流産したり、死産であると、嘆き悲しみます。涙をホロホロこぼします。
けれども泣いてばかりしていてよいのでしょうか。

生まれてこようとしていた子供が、もしも体の弱い子であったり、親に心配ばかりかける子であったり、世間の皆様にご迷惑を
かける因縁をもった子であったらどうします。この為に夫婦別れしたり、恐ろしい犯罪につながったりします。また無事育ってい
たが可愛い盛りに事故や病気で亡くなって、悲嘆に暮れる親も世間には沢山います。

仏様が、今度生まれてこようとしている子は、こうした不幸な因縁を持っているために、親の手に抱かせる前に引きとってくださったんだ。
親に悲しく、つらい思いをさせまいと、佛様の世界へ返っておいでと、引き取ってくださったんだ。人間世界へ旅するのには、
ちょっとはやいよと引き返させてくださったんだ。これによって親は生涯にわたって背負わねばならない、苦しみや悲しみから
のがれさせてもらったんだ。夫婦別れずに今の家庭が守られているんだ。と、亡くなってくれたことによって救われている親、
我が子によって助けられた私という事に気がつきますと、「ありがとう お母さんを助けてくれたのね 本当にありがとう」と、
泣いてばかりでなくお礼を言わずにはおれません。

お母さんが抱いてあげられなかった代わりにお地蔵様に

亡くなっていった我が子に対して、「ごめんね」というお詫びの言葉をかけましょう。「お母さんを助けてくれてありがとう」というお礼の気持ちを持ち続けましょう。このお詫びの言葉や、お礼の気持ちを母親の「まごころ」として、形に現したのが、水子のお地蔵さんです。さまようことなく「よい処におまいりしてね・・・」と魂のよりどころとして、水子さんにお地蔵さんやお位牌をつくってあげましょう。
そしてもっとも大切なことは、あやまちを二度と繰り返さないと、固く誓うことです。そ亡くなっていった子供と共に頑張ることです。うれしいことがあった時には、心の中で「お父さんにこんないいことがあったよお母さんもうれしい ありがとう」と、お礼をいいましょう。人生 時には悲しいことも起こります。このときにも水子さんの事を思いだして、一度も明るい陽を見ることもなく暗闇の底に身をひそめていった我が子のつらさと比べて我慢しましょう。
気持ちを前向きにもって頑張りましょう。うれしいときにも、つらいときにも思い出して「あなたの分と二人分頑張ってよい人生を築きます。」と、呼びかけましょう。